一人で会社を設立する場合でも、定款作成、資本金の払込み、設立登記、設立後の届出は必要です。代表者一人だから簡単に見えても、法人類型や役員報酬、社会保険の確認を後回しにすると設立後に迷うことがあります。この記事では、一人会社を始めるときの流れを整理します。
法人類型を決める
一人会社では、株式会社と合同会社のどちらにするかを最初に検討します。費用、対外的な見え方、将来の事業展開で向き不向きがあります。
株式会社は定款認証が関係し、設立登記の登録免許税の最低額も合同会社より高くなります。合同会社は定款認証が不要で、設立費用を抑えやすい一方、業界や取引先によって説明が必要になることがあります。将来の出資、採用、取引先の見え方まで考えて選びます。
基本事項を決める
一人会社でも、会社の基本事項は通常どおり決めます。代表者一人で進めるからこそ、後から確認する人がいない前提で丁寧に整理します。
商号、本店所在地、事業目的、資本金、事業年度、公告方法、役員構成を決めます。株式会社では、発起人と設立時取締役が同じ人になるケースがありますが、書類上の役割は分けて考えます。事業目的や本店所在地は登記後の取引にも影響します。
定款と登記申請
株式会社を一人で設立する場合も、定款を作成し、公証人の認証を受ける流れが関係します。合同会社では、社員になろうとする者が定款を作成し、合同会社の定款は公証人の認証が不要とされています。
定款作成後は、資本金の払込み、払込みを証する書面、登記申請書、就任承諾書、印鑑届書などを準備します。一人会社でも、必要書類が省略されるとは限らないため、法務局の様式や専門家の確認を受けます。
設立後の税務
登記が完了したら、税務署や自治体への届出を確認します。一人会社でも法人としての税務手続きが始まります。
国税庁は、法人設立届出書について、設立登記の日以後2か月以内に提出する必要があると案内しています。青色申告、給与支払、源泉所得税、インボイスなどは、会社の状況によって必要性が変わります。役員報酬を支払う場合は、税理士へ相談すると判断しやすくなります。
社会保険の確認
一人会社でも、役員報酬を受ける場合などは健康保険・厚生年金保険の確認が必要になります。個人事業のときとは扱いが変わることがあります。
日本年金機構は、事業所が健康保険・厚生年金保険に適用されることになった場合の新規適用届を案内しています。無報酬の場合や報酬を後から決める場合など、判断に迷うケースは年金事務所や社会保険労務士に確認します。
一人会社のチェック
一人会社は意思決定が早い一方で、確認漏れも自分で防ぐ必要があります。設立前後のチェック項目を分けて進めます。
- [ ] 株式会社と合同会社のどちらにするか決める
- [ ] 商号、本店所在地、事業目的、資本金を整理する
- [ ] 定款と登記申請書類を準備する
- [ ] 税務署と自治体への届出を確認する
- [ ] 役員報酬と社会保険を確認する
- [ ] 法人口座と会計ソフトを準備する
