ホテル、旅館、簡易宿所を法人で始める場合は、会社設立登記とは別に旅館業法上の許可を確認する必要があります。厚生労働省は、旅館業を経営する者は都道府県知事、保健所設置市長または特別区長の許可を受ける必要があると案内しています。この記事では、2026年5月時点の厚生労働省情報を前提に、旅館業で会社設立する前に整理したいポイントを説明します。

旅館業に当たるか確認する

旅館業では、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業かどうかを先に確認します。

厚生労働省の旅館業法概要では、旅館業は「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と説明されています。部屋代という名目でなくても、寝具や部屋の使用料とみなされる対価が含まれる場合があるため、研修施設、貸別荘、宿泊付き体験施設なども実態を確認します。

営業区分を決める

旅館業では、施設の形態によって確認する営業区分が変わります。

厚生労働省は、旅館業の種別として旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業を案内しています。個室中心のホテルなのか、多人数で共用する簡易宿所なのか、1か月以上を単位とする下宿なのかで、設備、表示、運営体制の検討が変わります。

施設と本店所在地を分けて考える

旅館業の会社設立では、本店所在地と宿泊施設所在地が同じとは限りません。

法人登記上の本店を事務所に置き、実際の宿泊施設を別の場所にする場合もあります。ただし、許可は施設ごと、所在地ごとの確認が中心になります。建物用途、消防、建築、用途地域、条例上の衛生基準を、賃貸借契約や改装工事の前に保健所や自治体で確認します。

営業開始後の運用も設計する

旅館業は、許可を受けるだけでなく、営業開始後の運用管理も重要です。

宿泊者名簿、清掃、換気、採光、照明、防湿、共同浴場や水回りの衛生、苦情対応、外国人宿泊者対応などを施設運営に組み込みます。Web予約サイトを使う場合は、宿泊約款、キャンセル規定、決済、個人情報管理も合わせて整えます。

専門家に相談する場面

旅館業の会社設立では、登記、許可、建物、消防、税務を分けて相談します。

会社設立登記は司法書士、旅館業許可は行政書士、税務・会計は税理士、労務管理は社会保険労務士、賃貸借契約や近隣対応は弁護士に確認する場面があります。物件契約後に許可が難しいと分かると損失が大きいため、契約前の確認を優先します。

設立前チェック

旅館業では、物件を決める前の制度確認が特に重要です。

確認項目見るポイント
業務内容宿泊料、宿泊の実態、施設形態
営業区分旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業
物件用途地域、建築、消防、衛生基準
運用宿泊者名簿、清掃、予約、苦情対応
相談先保健所、自治体、行政書士、司法書士