会社設立の予算は、税金や公証人の手数料、サービス・専門家への支払い、会社に払い込む資本金を分けて考えます。「手数料0円」という表示だけでは、設立に必要な支出の総額はわかりません。この記事では、2026年9月18日に確認した公的資料をもとに、株式会社と合同会社の費用を同じ前提で計算します。
法定費用を会社形態と定款方式で比べる
以下は通常の設立を想定し、登録免許税の軽減措置を適用しない場合の金額です。専門家報酬、証明書の取得、郵送、電子署名に必要な機器等は含めていません。
| 費用 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 資本金×0.7%、最低15万円 | 資本金×0.7%、最低6万円 |
| 定款認証手数料 | 資本金の額等と条件により1万5,000円・3万円・4万円・5万円 | 公証人の認証は不要 |
| 紙の定款の印紙税 | 課税対象の原本は4万円 | 課税対象の原本は4万円 |
| 電子定款の印紙税 | 不要 | 不要 |
登録免許税は国税庁の税額表、紙の定款の印紙税は第6号文書の税額で確認できます。電子定款については日本公証人連合会の電子公証案内を参照してください(2026年9月18日確認)。
定款認証が1万5,000円になる条件
株式会社の定款認証は、資本金の額等が100万円未満なら原則3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円です。100万円未満でも、1万5,000円の適用には追加の条件があります。
日本公証人連合会の改定案内では、発起人全員が自然人で3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨が定款にあること、取締役会を置く旨の定款の定めがないことを条件としています(2026年9月18日確認)。
資本金を少なく記載すれば必ず減額されるわけではありません。定款の記載内容と設立方法を、依頼する公証役場に確認してください。認証手数料以外の謄本等の交付費用も見積もりに含めます。
資本金50万円で設立する場合の計算例
ここでは金銭出資、軽減措置なし、株式会社は発起人1人の自然人が全株を引き受け、取締役会を置かず、定款に資本金50万円と記載する場合を想定します。認証手数料1万5,000円の条件を満たす前提です。
| 主要費用の計算 | 株式会社・電子 | 株式会社・紙 | 合同会社・電子 | 合同会社・紙 |
|---|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 150,000円 | 150,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
| 定款認証 | 15,000円 | 15,000円 | 0円 | 0円 |
| 定款の印紙税 | 0円 | 40,000円 | 0円 | 40,000円 |
| 上記3項目の小計 | 165,000円 | 205,000円 | 60,000円 | 100,000円 |
これは総額ではなく主要3項目の小計です。資本金50万円、謄本等の交付、登記事項証明書、印鑑、郵送、依頼するサービスや専門家の料金を含みません。例えば電子定款の作成を有料で依頼する場合、その費用を電子定款の列に加えます。
見積もりでは初年度の契約費用までそろえる
設立時の割引に会計ソフトや税務顧問の契約が伴う場合は、支払先ごとに費用を整理します。まず同じ会社形態・資本金・依頼範囲で見積もりを取ると、比較のずれを減らせます。
予算表は「主要法定費用+証明書等の実費+設立支援料+設立後の契約費用」で組み立て、資本金と事業の運転資金は別欄に置きます。年額契約の特典を使う案と、電子定款作成費だけを払う案は、同じ1年間で比較してください。
サービスごとの条件は会社設立サービス比較表、具体的な有料・無料の範囲の例は弥生のかんたん会社設立の料金に整理しています。
費用を確定する前に会社形態と依頼範囲を決める
費用差だけで会社形態を決めると、出資者との関係や将来の資金調達に合わない場合があります。先に事業の予定と役割分担を決め、その条件で予算を確定します。
株式会社と合同会社の比較で経営の仕組みを確認し、会社設立の手順に沿って自分で行う作業と依頼する作業を分けましょう。許認可が関係する場合や複数人で出資する場合は、定款を確定する前に専門家へ相談すると見積もりの前提もそろえやすくなります。
