不動産賃貸会社の設立では、登記する会社の形だけでなく、どの物件をどの名義で取得し、賃貸収入をどの契約に基づいて受け取るのかを決める必要があります。物件購入、融資、賃貸借契約、管理会社、税務、許認可の確認が連動するため、設立前の設計が重要です。この記事では、不動産賃貸会社を作るときの確認事項を整理します。

収益モデルを具体化する

まず、自己所有物件の賃貸なのか、転貸なのか、管理受託なのか、売買や媒介を含むのかを分けます。家賃収入だけでなく、共益費、更新料、礼金、駐車場収入、太陽光収入、管理料などがある場合は、契約と会計の処理も分けます。

自社所有で賃貸するだけなら比較的整理しやすい一方、第三者物件の媒介や売買を行う場合は宅地建物取引業の確認が必要になることがあります。事業目的は、実際の収益モデルに合わせて書きます。

資金調達と本店所在地を確認する

不動産賃貸業では、物件取得費、諸費用、修繕費、空室期間の運転資金を見込む必要があります。金融機関は、代表者の資産背景、物件の収益性、自己資金、返済計画、管理体制を見ます。

本店所在地を自宅に置く場合でも、銀行口座開設や融資審査では事業実態の説明が求められることがあります。物件所在地、管理会社、入居者対応、郵便物管理、帳簿保存の方法を整えておきます。

契約と入金経路を整える

会社名義で賃貸するなら、賃貸借契約書、保証委託契約、火災保険、管理委託契約、家賃入金口座の名義を整えます。個人名義の物件を会社が管理する場合は、管理委託契約や賃料の帰属を明確にします。

設立直後に物件を取得する場合、会社設立日、法人口座開設日、売買契約日、融資実行日、引渡日を並べてスケジュールを作ります。登記が終わっても、口座や融資の準備が遅れると決済に影響します。

税務と資産移転を慎重に扱う

個人が持つ物件を法人へ移す場合、譲渡所得、登録免許税、不動産取得税、消費税、借入の扱いなどが関係します。税負担だけでなく、金融機関の承諾や賃借人への通知も必要になることがあります。

役員報酬、役員貸付、修繕費、減価償却、消費税の課税関係は、物件の規模や用途によって扱いが変わります。国税庁などの公式情報を前提に、具体的な処理は税理士へ確認します。

設立前チェック

不動産賃貸会社は、会社を作った後に物件や契約をどう動かすかが中心です。設立前に収益モデル、物件取得、融資、契約、税務、許認可を一枚の表にまとめます。

確認項目実務上の見るポイント
収益自社賃貸、転貸、管理、媒介
物件取得予定、既存物件、借入、担保
契約賃貸借、保証、管理、保険
資金自己資金、融資、修繕、空室対策
許認可宅建業に該当する取引の有無