会社を設立して取引を始めると、契約書や利用規約の整備が必要になります。口頭やメールだけで進めると、報酬、納期、成果物、責任範囲、秘密保持でトラブルになりやすくなります。この記事では、会社設立後に整えたい契約書の基本を整理します。

契約書が必要な理由

契約書は、取引条件を明確にするための書類です。相手を疑うためではなく、双方の認識をそろえるために使います。

会社として取引する場合、契約当事者は会社になります。個人事業時代の契約書をそのまま使うと、名義、支払先、責任範囲が合わないことがあります。法人化後は、契約書の名義や印鑑、請求先を見直します。

業務委託契約

サービス提供や外注を行う会社では、業務委託契約がよく使われます。業務範囲、報酬、納期、検収、再委託、損害賠償、解除条件を確認します。

成果物がある場合は、著作権や利用範囲も重要です。コンサル、制作、開発、運用代行など、業務内容によって条項が変わります。ひな形を使う場合も、自社の実態に合うか確認します。

秘密保持契約

取引前に機密情報をやり取りする場合は、秘密保持契約を検討します。提案段階で顧客情報や事業計画を受け取る場合にも関係します。

秘密情報の範囲、利用目的、開示できる相手、契約期間、返還・廃棄、損害賠償を確認します。相手方のひな形に署名する場合も、自社に過度な義務がないか確認します。

利用規約とプライバシーポリシー

ウェブサービス、EC、会員サービス、アプリを運営する場合は、利用規約やプライバシーポリシーが必要になることがあります。個人情報を扱う場合は特に注意します。

利用条件、禁止事項、免責、料金、解約、個人情報の利用目的を整理します。特定商取引法に基づく表示やプライバシーポリシーは、事業内容によって必要な記載が変わります。

印鑑と電子契約

契約書は、紙で押印する場合もあれば、電子契約を使う場合もあります。どちらを使うかは、取引先の運用や契約内容によって変わります。

代表者印、角印、電子署名、電子契約サービスの権限管理を確認します。電子契約を使う場合は、契約データの保存、閲覧権限、更新管理を整えます。社内で誰が契約できるかも決めます。

弁護士に相談する場面

契約書は法的リスクに直結します。金額が大きい契約、継続契約、知的財産、個人情報、損害賠償、業法が関係する契約は弁護士に確認する方が安全です。

設立直後は費用を抑えたくなりますが、重要契約ほど最初に整える価値があります。ひな形を使う場合でも、自社の事業内容、責任範囲、取引先との力関係に合っているかを確認します。