--- title: "設立1期目の利益処分:納税・配当・内部留保の考え方" description: "設立1期目の利益処分について、法人税・地方税・消費税の納税資金、役員報酬、配当、内部留保、借入返済、設備投資、採用費、広告費、翌期の運転資金と金融機関相談を整理します。" date: 2026-05-29 category: 設立後 tags: [利益処分, 内部留保, 資金繰り] related_links: [accounting, faq] draft: false --- 設立1期目に利益が出たときは、すぐに役員報酬や配当で外へ出すのではなく、納税、借入返済、翌期の運転資金を踏まえて利益処分を考える必要があります。法人の利益処分は、会計上の利益、税務上の所得、会社法上の配当可能性が一致しないことがあります。この記事では、設立1期目の利益をどう管理するかを整理します。 ## 税金を先に見積もる 利益が出た場合は、まず法人税・地方税・消費税などの納税資金を確保します。 会計上の利益だけでなく、税務調整後の所得、消費税の納付額、法人住民税均等割を確認します。決算後に資金が不足しないよう、月次試算表の段階から税理士に概算税額を出してもらいます。 ## 役員報酬と配当を分ける 役員報酬と配当は、会社からお金を出す点では似ていますが、法務・税務上の性質が異なります。 役員報酬は定期同額給与などの法人税上のルールが関係し、配当は会社法上の分配可能額や株主総会決議が関係します。利益が出たから期末にまとめて役員へ出す、という処理は避け、事前に専門家へ確認します。 ## 内部留保を残す 設立1期目の会社は、翌期の売上が安定するまで内部留保を厚めに残す判断も重要です。 広告費、採用費、仕入、家賃、外注費、社会保険料、借入返済を数か月分見込みます。売掛金の回収が遅れる業種では、利益が出ていても現金が足りないことがあります。 ## 借入返済と投資を比較する 利益が出た後の資金は、借入返済、設備投資、採用、広告、配当のどこに使うかを比較します。 金融機関との約定返済を守りつつ、繰上返済するか、成長投資に回すかを検討します。税理士だけでなく、必要に応じて金融機関にも翌期計画を共有します。 ## 設立後チェック 設立1期目の利益処分は、決算前から資金繰り表で考えます。 | 確認項目 | 見るポイント | |---|---| | 税金 | 法人税、地方税、消費税 | | 支出 | 役員報酬、配当、借入返済 | | 留保 | 運転資金、納税資金、予備費 | | 投資 | 採用、広告、設備、在庫 | | 相談先 | 税理士、金融機関、司法書士 |